【アニメ前考察】黒澤ルビィ 〜「守られる妹」ではなく、「黒澤の娘」でもなく〜

ラブライブ!は媒体ごとに設定に違いがあるのですが、まだ情報が少ないため、各媒体の情報を合わせて書いています
※この記事はアニメ開始前に予想を出しておく意図のものです。したがってアニメになったら外れている部分があることかと思います

5人目ですね。前回に続き黒澤姉妹について。今回は妹の黒澤ルビィについてです。
まずは紹介から

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浦の星女学院1年生。地元の名家である黒澤家の娘で姉のダイヤもAqoursのメンバー。泣き虫で気弱だが、いざという時には自分の意見を主張できる芯の強さを持っている。小動物系の可愛い子だが、黒澤家の血の影響かドラマパートでは意外と鋭いツッコミをする。

ルビィについてはダイヤの記事で少し書いたのですが、姉と対比させるなら「与えられた役割からの脱却」がルビィのテーマですね。

姉妹の関係において、ダイヤは自分を「守る側」、ルビィを「守られる側」にあてはめてそれを続けることでアイデンティティを確立した。それに対して、ルビィはそこから抜け出すことで強い自分になろうとしているとダイヤの記事で書きました。

自己紹介でも言っているようにルビィがダイヤに求めているのは「守ってくれること」ではなくて、「自分を認めてくれること」です。
とてもすごい姉に自分を認めてほしい、ライバルだと思ってほしい、それがルビィの願望なのですが、「守られる妹」という役割によってそれが叶わない。

加えて、ルビィは同じ黒澤の娘なのにダイヤほど黒澤家の娘であることに触れないんですよね。次女だからというのもあるかもしれませんが。

ここでもう一つ、「黒澤家の娘」という役割もルビィにとっては抜け出したいものなのではないでしょうか?
ルビィが自分の家に対してどう思っているかはあまり情報はないのですが、アイドル好きというところからすると黒澤家とは相性が悪いように思います。
アイドルは自ら輝こうとするから輝くことができるのです。輝くことを望み、努力し、それが周りの人を動かすのがアイドルの持つ輝きです。
それはルビィに生まれつき与えられていた「黒澤家の娘」という本人の意志とは関係なく周りの人を動かしてしまう輝きとは真逆のものです。
実際、家の方針でアイドルのファン活動に支障が出てるようですし、アイドルが好きなルビィにとっては「黒澤家の娘」という肩書きがうっとおしく思えている可能性は十分ありえます。

このように「守られる妹」「黒澤家の娘」という周りから与えられた役割から抜け出して輝きたいのがルビィというキャラなのではないかと思います。これは与えられた役割に固執して自分を輝かせようとするダイヤと対になっています。

ここまで書くとルビィがまるで被害者のようですが、しかし、ダイヤの件においてはルビィもまた苦しめている側の人間であるということを忘れてはいけません。

どういうことかというと、ルビィはダイヤを「すごいお姉ちゃん」と賞賛し、自分の劣等感を強調しますが、それはダイヤの一部分、しかも役割によって作られた部分です。
ダイヤがルビィをひたすら弱いものにしたがるのと同じくルビィもダイヤを強いものにしたがる、相手の本当の姿を見ていないのではないかと思います。
ルビィが「守られる妹」から抜け出すのであれば、ダイヤがなぜ役割に固執するのかについて考え、その原因となるダイヤの弱い部分に気づいてからであってほしいです。
ダイヤに「お姉ちゃん」と「黒澤家の長女」を求めたのはルビィも周りの人と同じであったわけですし。ルビィもダイヤをちゃんと見なければならないのです。
黒澤姉妹は正反対の立場にありながらどちらも「相手を先入観無しでちゃんと見ること」が課題になるのは興味深いですね。

前回の話と今回の話をまとめるならば、ダイヤがルビィの強さを、ルビィがダイヤの弱さを互いに認め合うことが黒澤姉妹が輝くために必要ではないかと思います。

黒澤姉妹についてはどちらか一方の問題だけが解決する、どちらか一方だけが成長するといったことは無いと思います。片方に変化があればそれはもう片方にも少なからず影響を与える、そういう姉妹ならではの関係性をアニメでは扱ってほしいです。