【考察記事】ラブライブ!サンシャイン‼︎ 第8話「くやしくないの?」
・3年生組それぞれの答え
ここが今回の大テーマです。
3年生3人は同じ挫折から違う答えを出して今に至っています。
ケース1:黒澤ダイヤ
→「同じ失敗をさせたくない」
スクールアイドルが好きで自らもスクールアイドルになれたダイヤ。
ダイヤは挫折し、一度はスクールアイドルを嫌いました。
しかし、スクールアイドルを嫌いでい続けることはできなかったようです。
少なくとも3年の4月にはスクールアイドルが大好きなダイヤに戻っていました。
ダイヤはかつての失敗を経験とし、後に続くものに同じ失敗をさせない道を選びました。
それは同じくスクールアイドルを愛する妹を持つがゆえの発想なのでしょう。
スクールアイドルになるなら自分の意志でなってほしい。困難に負けない強さを持ってほしい。自惚れて勘違いなどせずに自分たちの力を見極めてほしい。
だからスクールアイドルを目指す人にはきつく当たったのでしょうが。
その結果、スクールアイドル嫌いの生徒会長という誤解を生んでしまった。
「スクールアイドル部は認められない」とは言ってますが「スクールアイドルが嫌い」とは言っていないのに…。
誤解されたほうが都合がいいので訂正もしなかったのでしょう。
忘れてはいけないのはそれでもルビィには「スクールアイドルをするな」とは言っていないということです。
もし、ルビィがスクールアイドルをやりたいと言ったらAqoursに対してやったように失敗を犯さないように忠告をし、陰ながら支えるつもりだったのでしょう。
しかし、誤解が誤解を呼びルビィは「お姉ちゃんが嫌いなスクールアイドルを嫌いにならないといけない」とスクールアイドルを諦めようとした。
それを引き止めたのがAqours、そしてダイヤに対して正面からルビィがスクールアイドルへの想いを語ったであろうこのシーンはAqoursとルビィが関わらなければありえなかった。
ダイヤは3年生組の中で唯一、不完全ながらもすでにAqoursに救われているのです。
とはいえ、ダイヤのAqours加入にはまだ条件が足りないです。
果南と鞠莉のこともありますし、ダイヤの性格からして一度諦めた自分がやり直すというのは抵抗もありそうです。
まずは果南と鞠莉を一緒に助けるというのが当面の立ち位置でしょうか。
ケース2:松浦果南
→「同じ失敗はしたくない」
ダイヤと字はほぼ同じですが、意味するものはずいぶん違います。
果南にとっての失敗とはなんだったのか。
ステージ上で歌えなかったことは果南にとっての失敗の一部分でしかないように思います。
もっと根本的なもの、それこそ「スクールアイドルになって自分たちで学校を救いたい」というスタートから失敗にしてしまったのではないでしょうか。
1話考察で
小原家によって間接的にスクールアイドルを断念させられたダイヤは「誰もが自分たちの力で輝けるわけではない」と身をもって知り、挫折から目を背けるように、それまで以上に自分のやるべき役割に没頭していく。
スクールアイドルという言葉はダイヤにとって過去の誤ちの象徴となり、アイドルへの魅力を語るルビィはダイヤにとって何も知らない世間知らずの妹となった。
というのを書いたのですが、
ダイヤ→果南
小原家によって→東京での失敗によって
などなど細かい部分を読みかえていったのが今の果南なんだと思います。
ダイヤではなく果南で書けば「予想が当たった」だったのですが…
果南の心情や本音はまだほとんど語られてはいないです。だから想像するなら、
夢や挑戦というのは限られた一部の人のもの、田舎で生まれた自分は夢なんて見てはいけなかった。
だって私はあの人たちみたいにうまく歌えも踊れもしないしキラキラしたものも持ってない。
私は自分に手の届かないものを追い求めて傷つくのはもういやだ。
といったところででしょうか。
灰かぶりはお城の舞踏会なんて夢を見ずに一生継母たちにこき使われるしかない。
それが果南の出した答えだったのだと思います。果南には魔法使いもガラスの靴も無かったのです。
失敗したのはスクールアイドルを目指したから、身分不相応な夢を見たから。
そもそも自分には無理だったんだ。
そう思うことで果南は諦めることを正当化したかったのだと思います。そもそも届かなかったことにしてしまえば諦めるのもずっと楽です。
いいか悪いかは別として、
スクールアイドルを諦め、夢を見ることをやめることで果南は立ち直ることができたのではないでしょうか。
少なくとも1話で千歌がスクールアイドルの話をするまでは笑ってましたし、
その後だってスクールアイドルが絡まなければ笑っていた。
多分この先だって果南は笑っていられるのだと思います。
スクールアイドルが絡まなければ、ですが。
作中での描写が少ないこともあって私の中での果南はアニメ開始前に書いた「自分の周りの日常を大切にし、平穏を重んじる」というキャラのままなんですよね。
浦の星という日常を守るために、ダイヤに協力という日常の延長でスクールアイドルになり、東京に行ったせいで幼馴染3人の日常が壊され、日常を守ることを逃げ道に挑戦しなくなり、今また日常を壊すかもしれないスクールアイドルに嫌悪する。
今回、果南は
「誰かが…傷つく前に。」
と言っていましたが、果南にとっての「誰か」はそんなに広い範囲ではないと思います。
いいところ千歌とダイヤとAqoursのメンバーくらい、「鞠莉自身が傷つく前にやめたほうがいい」と深読みして鞠莉が入っているかどうかくらいの範囲です。
果南は世界を狭めることで平和を手に入れたのです。だからもうその外には出ない。
身の丈に合わない勘違いはもうしない。
こんな果南をどうAqoursに加入させるかですが、うってつけの人材がAqoursにいます。
果南が今やっていることを長年やってきたメンバーがいるのです。
自分は特別な何かをもった人間ではない
挑戦しても何かをもった人たちみたいにはなれない
それでは中途半端なんだ
だったら初めからやらないほうがいい
だって私は、
「普通」なんだから。
むしろ、物語開始までの15年にわたってやっている分こっちのほうが根深いのですが。
千歌なら今の果南の気持ちもわかるし、そこから抜け出すことの大変さも知っています。
果南の姿はメンバーやダイヤの助けが無かった場合の千歌の姿でもあるので、ここで千歌の「普通」コンプレックスが良い方向に爆発してくれることに期待したいです。
ケース3:小原鞠莉
→「失敗であっても取り戻したい」
意味深な発言や余裕のある振る舞いでAqoursに対して大人の女性として接してきた鞠莉ですが、
その根本にあったのは「楽しかった頃を取り戻したい」という過去への囚われでした。
誘われて始めたスクールアイドルでしたが、3人で何かに一生懸命になった時間はその後の挫折を差し引いても鞠莉には大切な思い出だったようです。
楽しかった思い出やその舞台の内浦は鞠莉にとっての宝物なので、
PVの一件では形だけのPRでお茶を濁したAqoursを叱ったりもしました。
鞠莉といえば公式の紹介文にもあるように「恐れを知らぬチャレンジャー」なのですが
回想ではそうした雰囲気はなく、自分から動くようなタイプには見えない。
だから恐らく、鞠莉は浦の星を離れた2年間でチャレンジャーに「なった」のでしょう。ダイヤと果南と失ったものを取り戻すために。
ここは果南とは真逆です。果南は諦めることで世界を狭めて自分を救おうとした。鞠莉は諦めないことで世界を広げ2人を救おうとした。
そこまでの努力をした鞠莉は立派だと思います。しかし、それでも鞠莉の落ち度を指摘せずにはいられません。
鞠莉は2年かけて救える自分を作るのではなく、その時に救える手段を探すべきでした。
今となってはダイヤも果南も「あの時」になど戻りたくないのです。
その象徴とも言えるのが、このシーン
鞠莉は止まったまま果南を受け入れようとしている。
鞠莉の見ているのは今の2人ではなく、東京で挫折してしまった2年前の2人です。だから自分が受け入れさえすれば果南は戻るとおもった。
しかし、止まったままの鞠莉の元に果南は戻ってこなかった。
今の果南は諦めと逃げで世界を狭めて自分を保っているので、まずは果南がそんなことをするようになってしまった2年間を解決しないとです。そして、それは2年前に囚われたのままの鞠莉ではできないことです。
鞠莉がどうすればAqoursに入るのか、
まずAqoursを9人で一つにするには「あの時」を取り戻すという鞠莉の計画はどこかで失敗してもらわないといけないのではないかと思います。
その上で、ダイヤと果南との時間を取り戻すのは絶対に諦めてもらってはいけない。「あの時」に囚われずに、今のダイヤと果南とまた一緒にスクールアイドルがしたいとなれば選択肢はそれほど多くないです。
3年生についてはこんなところでしょうか。ただ次回予告をみると、3年生が次回あたり一気に加入する可能性もあります。
「未熟DREAMER」が曲名だとしたら、3年生組加入の9人曲か3年生組曲であろうことが予想されます。
よっぽど変化球、例えば過去の3年生組のライブシーンとかでなければ3年生組の問題が解決しないと9人曲も3年生組曲もできないので…。
・スクールアイドルの変化
ダイヤの言うようにスクールアイドルは随分と変わってしまったようです。
スクールアイドルはなりたいと思えば誰だってなれる。μ's1期4話にてことりが言っていたことです。
やりたいからやってみる。それが誰にも許されるのがスクールアイドルであり、
「限られた時間を精一杯輝こうとするスクールアイドルみんなが素晴らしい」というのはμ'sが最後に残したスクールアイドル
ランキングである以上、人気の差は明らかになってしまいますが、王者といわれたA-RISEもランキングが下の相手を格下に見るようなことはしなかったし、スクールアイドルは楽しいものという穂乃果の考えに賛同し「スクールアイドルみんなのうた」=sunny day songを提案した。
ラブライブ!サンシャイン‼︎がラブライブ!の5年後の話とするなら、ダイヤたちが1年の時=ラブライブ!の3年後にはすでに実力ありきの世界になっていたことになります。
ラブライブの3年後といえば劇場版の最後のシーン、3年生になった雪穂と亜里沙が新入生にμ'sがいなくなった後のスクールアイドルがどうなったかを語るシーンです。
私たちはμ'sの思いを受け継ぎ、と言っていたのですが、全てを受け継ぐのは無理だったようです。あの数ヶ月後にダイヤたちが東京に来て打ちのめされたと考えるとあのシーンの印象が結構変わります。
・なぜ1・2年生組の誰もかつてスクールアイドルをやっていたことを知らなかった?
東京から出演依頼が来た、ということはスクールアイドルとしてある程度の活動はしていたので1・2年生組の周囲に知っている人は確実に入るはずです。
その人から1・2年生組の経路のどこかで知っていたけど黙っていた人がいて伝達がそこで止まった、もしくは聞いていたけど興味が無くて忘れてしまった、3年生組は成果がでるまでなるべく周りに話さなかった、とすれば説明はできるのですが。
この話で1番問題になるのはルビィです。
千歌は果南が話さなくても噂で聞いていたかもしれないが、当時の千歌は興味が無かったから覚えていない。
曜は住んでいるところが遠いし、千歌伝いにくらいしか知りようがない。
梨子と善子はそもそもスクールアイドルに興味がなかったし、当時付き合いがあった内浦の知り合いもいない。
花丸は本にしか興味がなかったし、ルビィ以外の友だちもいなかった。噂になっていたかもしれないが、ルビィが話さなければ気にも留めなかったのかもしれない。
どれだけ無関心で忘れっぽいんだという話になるにしろこれで無理やり説明できますが、
なるべく周りに話さなかったとはいえ、活動はしていたのだからスクールアイドル好きのルビィの目には入っているはずです。さすがにルビィはスルーしないはずです。
考えられる可能性は
①実は知っていたが知らないふりをしていた
ルビィは事前に知っていたのではないか。
ただ、ダイヤを気にしていたりでルビィがそれを話すことは無かった。
仮にダイヤに真偽を確かめて3年生組のスクールアイドル活動を知っていてもダイヤに口止めされていたのでそのことを話せなかった。
②東京のスクールアイドルイベントが初ライブかほぼ活動していない時の話だった
Aqoursが出演依頼を受けての参加だったので誤解しがちですが、3年生組の出たイベントは経験不問のイベントだったのかもしれません。
そうであれば世間にはまだ出回っていないのでルビィが知らなかった可能性も。
「選ばれた」という言葉からすると書類審査くらいはあったかもしれないですが、地方出身という物珍しさで選ばれたのかもしれません。
・曜の部屋のシーンの写真
気になったので
小学校の運動会です。
しいたけはまだそれほど大きくなかったようです。
曜の部屋には他にも写真がありました。
海辺で千歌と手を組んで走る写真。
みとしーのイルカ像の前と思われる写真。
この時から生えてきていたようです。
このあたりは普通の写真です。
問題はここから。
後ろ姿の写真です。
千歌が普通に写っている写真はたくさんあるだろうにわざわざこれを飾るところに意味があるのだと思います。
多分、曜にとっての千歌の理想像がこれなのでしょう。
この写真や
先ほども出たこの写真や
1話の加入時に
「私、小学校の頃からずーっと思ってたんだ。千歌ちゃんと一緒に夢中で何かやりたいなーって。」
と言っていたことを考えると、後ろ姿が見える程度の前か隣が曜にとっての千歌の理想の位置なんですね。
とはいえ、千歌が劣等感の塊になった一因は他ならぬ曜自身です。
それらを総合すると、「自分と比べて劣等感を感じたりせずに目標に向かって頑張ってほしい。そんな千歌と一緒に自分も頑張りたい。」という想いの表れが
このボードであると言えます。
ここまでならいい話といえますが、
これは一体なんなのか?影の写真を飾りたいという嗜好の人間もいるのですが、ここはこの影の主の方に意味があると考えます。
他の写真から考えると千歌と曜です。
千歌と曜はどちらもズボンもスカートも履いているのでどちらがどちらかはわからない。
ですが、他の写真から考えるとこれは千歌が曜の手を引いているのではないかと思います。
今後曜が主役の回があれば、本編でこの影の写真ができた経緯が出てくるのかもしれません。
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出典:U-NEXT
となっています。