【2期準備記事】小原鞠莉〜強がりお嬢様がのぞんだ宝物〜

 

ラブライブ!サンシャイン‼︎アニメ2期前記事、第2回です。

 

1期の開始前にAqours一人ずつについて書いていったように、

◯1期を振りかえっての感想

◯2期に期待すること

を書いていこうといきます。

 

第2回はこの人、

ホテルオハラを経営する小原家ののご令嬢にして浦の星女学院の若き理事長

 

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マリーこと小原鞠莉です。

 

○1期を振り返って

 

・紫は孤独と二面性の色

1期開始前の記事

【アニメ前考察】小原鞠莉 〜「小原家」のシャイニー姉さん〜 - 音ノ木坂&浦の星 非公式研究室

ではイメージカラー紫ということで紫の持つイメージのうち「孤独」と「二面性」から鞠莉について語りました。

 

では、実際アニメ1期ではどうだったのか?

 

・孤独から救われたいがための「孤独」

 

アニメ鞠莉には孤独から救ってくれる大事な人がいました。

 

というのも、アニメでは鞠莉に(というよりは3年生に)ある設定が追加されました。

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果南・鞠莉・ダイヤの3年生組は幼い頃からの友達であり、

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3人でスクールアイドル「Aqours」として浦の星を廃校の危機から救おうとしたものの、

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すれ違いからAqours解散

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互いに相手を大事に想いながらも、その想いが交わることなく2年の月日が経ってしまっていました。

 

これは本当にいい改変だったと思います。

アニメ開始前に私が心配していたのは、小原家の令嬢であり、内浦の外から来た鞠莉が「外の人間」として居場所を無くしてしまうことでした。

それこそAqoursに加入しても小原家であることが鞠莉を孤独にしてしまうのではないかと。

 

しかし、この改変によって鞠莉は「小原家」でありながら、「果南とダイヤの幼馴染」になりました。

 

6話で

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幼い頃の果南とダイヤとの思い出を胸に廃校阻止を語り、

 

8話で

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 果南とダイヤとの時間を宝物とまで言った。

 

鞠莉は孤独ではない自分を見つけていました。鞠莉はちゃんと大事な人と出会い、大事なものを育んでいたのです。

 

とはいえ、物語の中盤までの鞠莉は果南とダイヤとのわだかまりで"一人で頑張っている"状態でした。

「浦の星を守るため」「千歌たちを成長させるため」理事長という立場からAqoursに接していた鞠莉。

強引なやり方はダイヤと果南から反感を買い、本当はただもう一度果南とダイヤと一緒にスクールアイドルをやりたかっただけのはずが、どんどん果南とダイヤが遠ざかっていく。

孤独でない場所をもう一度手に入れたいという想いが鞠莉を「孤独」にさせていました。

 

・「二面性」

「二面性」についてはもはや言うまでもないでしょう。普段はふざけて怪しい外国人みたいな話し方をしているのに、果南とダイヤのことになると素の表情が出てしまう。

 

二面性の描き方もなかなかグッと来ました。

物語の中盤、7話くらいまでは表の鞠莉、自信家で若くして理事長を務め、千歌たちを翻弄し、野望を実現しようとする食わせ物の鞠莉がメインでした。ちょこちょこ気になる言動はありましたが

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鞠莉はこんな強い子なんですよ、という部分が強調されました。

 

しかし、8話で千歌たちの帰還とともに物語の焦点が3年生組の過去に移ると、その奥にいた本当の鞠莉が顔を出します

 

鞠莉は表の強さとは裏腹に臆病で、むしろ弱さを隠そうとキャラを作り「本当の自分」も「本当の気持ち」も見せないようにしたのが中盤までの鞠莉だったのです。

 

時には非情な振る舞いをしていたその裏には、「大好きな果南とダイヤとまた一緒にいたい」というとてつもなく大きな想いがありました。

 

若くして理事長についた有能な小原家のご令嬢は、幼馴染とのことになると周りが見えなくなるほどに取り乱してしまう普通の女の子でした。

 

表向きの強さとその奥の弱さ、執着しないフランクなキャラを演じながら実は執着心こそが原動力になっている。「二面性」はアニメの鞠莉のキーワードと言ってもいいと思います。

 

1期では鞠莉と果南のドラマも描かれ、「かなまり」はラブライブ!サンシャイン‼︎の大手カップリングとなりました。

 

・果南とのすれ違い

ここでちょっとした問いを、

 

果南とのすれ違いの原因はなんだったのか?

鞠莉に落ち度があるとしたらそれはどこか?

 

果南にもダイヤにもそれぞれ語らなければいけないところはありますが、ここでは鞠莉についての話とします。

人によって細かい違いはあると思いますが、だいたい同じ答えになるはずです。

 

一言でいうなら、

鞠莉は自分の弱さも気持ちも徹底的に隠してしまったんだと思います。

 

「果南とダイヤと一緒にいたい」という願いを言えば果南とダイヤへの依存を認めることになる。だから自分の口からは言わない。

留学を断るにしても、「学校のため」といういかにもヒーローっぽい理由を掲げて強い鞠莉を押し通す。将来の可能性を投げ打ってまで。

さらに怪我の痛みを我慢して危ないステージに臨む。そのステージで失敗した「果南のリベンジのために」スクールアイドルを続けようとする。

 

鞠莉の育った環境が鞠莉にそうした強さを求めたのだとしたらある意味仕方のないことなのかもしれません。

本音を言うためには自分の本心に向き合う必要があり、自分の弱さを表向きの強さでごまかす鞠莉にとっては相当な覚悟が必要です。言わなかったのではなく、言えなかったのだと思います。それに「学校のため」「果南のため」というのもまるっきり嘘でもないのでしょう。

 

 一緒にいたいというのは果南もダイヤも同じだし、果南もダイヤも鞠莉の弱さと本音はなんとなくわかっていただろうし、鞠莉が強がってごまかしていても3人は互いにわかりあえていたのだと思います。

 

しかし、鞠莉は輝かしい将来の約束された小原家のご令嬢。そんな鞠莉が周りの期待に背いて将来を捨ててまでスクールアイドルをしている。

 

鞠莉をそうさせたのはスクールアイドルに誘った果南とダイヤであり、「果南とダイヤが誘ってくれた」「果南とダイヤと一緒にいたい」ことが鞠莉にとってスクールアイドルを続ける理由になっている

だから果南は鞠莉に「離れ離れになっても忘れない」と伝えたのではないでしょうか。それは果南なりの気遣いで、留学するつもりでもスクールアイドルを続けるつもりでもその先は鞠莉自身の意志で決めたはずだった。

 

しかし、鞠莉は「浦の星を救うため」「果南のリベンジのため」「負けられない」と言いながら、果南とダイヤには言わなくても本心をわかってほしいと願うばかりで、自分の弱い部分も本音も見せようとはしなかった。

 

だから鞠莉に果南とダイヤは突きつけたのではないでしょうか? (以下、多少の妄想入ります)

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「学校のため」?

周りの人たちのこと、浦の星のことを考えるなら鞠莉がすべきことは留学のはずだ。

「果南のリベンジのため」?

果南がリベンジを諦めるなら鞠莉だって続ける理由はないはずだ。

「負けられない」?

そんな強さを振りかざして隠そうとしてる本当の理由を私たちは知っている。

将来の可能性と引き換えにしてもしがみつこうとしている気持ちを知っている。

それを伝えることから、自分の本音と向き合うことから逃げるなら、

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「もう続けても意味がない」と。

 

このシーン、もしかしたらここで鞠莉が本当の気持ちを果南とダイヤに言っていればまだやり直すことはできたのではないか?

そう思わずにはいられません。

 

「自分の想い」から逃げて、大好きな友達とすれ違ったまま留学した鞠莉は2年の月日を経て帰ってくるわけですが、そこでもまた同じように自分の弱さから逃げて強い自分を演じようとした。

 

だから果南もダイヤも鞠莉とやり直すつもりはなかったわけですが、

 

千歌がダイヤの心を動かし(これについてはダイヤの記事で書きます)、ダイヤが鞠莉に果南の想いを伝えたことで2年かかりましたが

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鞠莉は果南とぶつかり合うことができました。

 

Aqoursで出会った「かつての自分」

そしてかなまりワールドからのハグを経て鞠莉はAqoursの一員となったわけですが、そこで鞠莉はかつての自分と同じく弱さを見せられない状況になっているメンバーを見つけます。

 

そう、

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曜ちゃんです。

 

曜の場合はあまりにも器用で周りとうまくやるために本音を言えなくなる、周りが曜はなんでもできると思うから弱さを気づいてもらえない、なので鞠莉とまったく同じではないです。

 

しかし、本音をぶつけることも、弱い自分を見せることもできずに大事なものを失った鞠莉は曜にかつての自分を重ねました。

だから曜が千歌のために、梨子のためにと自分を出せなくなっていることに気づいたのです。曜の中の弱い部分に触れようと思いたち、

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話を聞くことで自分の本心と向き合わせ、たとえ弱さを知られることになっても自分の本音を伝えることの大切さを伝えました。

 

11話では曜が千歌に想いを伝えることはなく、梨子との電話や曜の異変に気づいていた千歌が曜を救ったわけですが、鞠莉との会話がなかったら梨子や千歌が何を言っていたとしても曜は周りのために自分を押し殺し続けたのかもしれません。

 

かつての過ちが鞠莉を突き動かしたのだとしたら2年間は無駄ではなかったのだと思います。

 

「ずっと二人が待っててくれたから諦めずにこられた」

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13話での鞠莉のセリフです。

留学中も浦の星に戻ってきてからもとけなかったわだかまり、それでも果南とダイヤが「待っていてくれた」ことを鞠莉は知った。

鞠莉と同じように2年前にAqoursが終わった日を忘れずに、2年前の鞠莉が言えなかった言葉を待っていてくれた。

2年前の鞠莉に言いたかった言葉を言う日を待っていてくれた。

鞠莉にとって果南とダイヤは小原家の外に連れ出してくれた存在であり、だから遠く離れた2年間ずっと2人が待っていたことが鞠莉を動かした。そんな1期の締めくくりにふさわしいセリフです。

 

○ 2期に期待すること

 

・将来どうする?問題

将来なんか今はどうでもいい、と鞠莉は言いましたが、3年生である以上は卒業したらどうするかの話は避けられないです。とはいえ、2期で卒業までいくとは限らないのでまだ将来については語られないかもしれないです。μ'sのように卒業後の進路は触れない可能性もあります。

 

もし、卒業後の進路を問題にするとしたら地元に留まるであろう果南やダイヤと違って鞠莉は将来ずっと内浦にいるわけではなさそうなんですよね。

理事長続投もありえますが、理事長になるにあたって小原家の力を借りているので小原家の裁量ひとつで鞠莉は理事長を続けられなくなるという。

鞠莉は果南とダイヤといつまでも一緒にいられるわけではない、そこは是非とも描いてほしいです。

 

・鞠莉のわがままと小原家

鞠莉の留学が9話で先生から言われていたものなら、卒業したら海外の大学に推薦入学というのが想定されていたはずです。にもかかわらず鞠莉は浦の星に戻ってきてしまった。

そもそも鞠莉は正式に留学を終わらせて帰ってきたのか?

というか、鞠莉は小原家のご令嬢で留学や転校の話もあるくらいなので浦の星に通うのがすでに小原家の色々な思惑に反しての行為ではないかと思います。

そんな鞠莉のわがままを小原家は許すのか?

2期では鞠莉のやりたいこと、小原家のやらせたいことの対立も描いてほしいです。

 

・曜の本心を聞いた数少ない人物

曜のところでも書きますが、2期では曜と千歌のすれ違いがキーになるのではないかと思います。1期11話で決着にするには惜しい要素がまだあるので。

そこで重要なのが曜の弱い部分に触れた鞠莉です。3年生の問題の突破口となったのは千歌の介入だったように、鞠莉の介入が2年生の問題の突破口になるのではないでしょうか。

 

アニメ2期前の第2回、小原鞠莉編はこの辺りで。鞠莉については1期記事でずいぶんと厳しいことを書いてしまったこともありました。

それだけ思い入れの深いキャラでもあります。

 

次回は千歌です。これまた語ることが多くなりそうです。

 

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出典:U-NEXT
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※6/13追記、現在は1話「輝きたい‼︎」が無料、2話以降有料での配信となっています。