【2期準備記事】高海千歌〜「悔しい」情熱でまっすぐに走ろう〜

アニメ2期開始までに間に合わないかもしれないという不安を感じつつも何とか書きあがりました。

 

1期の振り返りと2期への期待を書いていこうとはじめた企画、3回目の今回は、

 

ラブライブ!サンシャイン‼︎の物語の発端にしてAqoursのリーダー

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高海千歌です。

 

○1期を振り返って

 

・憧れとコンプレックス

「μ'sみたいになりたい!」

サンシャイン‼︎の企画開始時点で真っ先に示された千歌のイメージはこの一言につきます。

μ's、もっと突っ込んで言うならその発起人の穂乃果への憧れを原動力に周りを巻き込む女の子。

アニメでの千歌も大筋はそんな感じです。

 

しかし、アニメの千歌には穂乃果と決定的に違う点がありました。

 

千歌は「走り続けられない」のです。

何か突拍子もないことを思いつき、周りを巻き込んで走り出すことはできる。しかし、走っていくうちに不安になり、足が止まってしまう。

 

大丈夫と口では言うものの、穂乃果のように大丈夫に振る舞えない。穂乃果も壁にぶち当たり悩んできましたが、穂乃果には大丈夫を押し通す単純さがあった。穂乃果は「なんとかなる」という漠然とした成功イメージがあるからそこに向かって走ることができた。

しかし、千歌は根本に『普通』「何もできない」というコンプレックスがあるので、失敗をイメージしてしまう。

 

3話でのファーストライブでも

停電というアクシデントに負けずに、最初で最後のライブをやりきろうと歌い出したものの、

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歌えなくなってしまった。

 

そもそもスクールアイドルをはじめたのも 

『普通』の自分でも輝けるのではないか?

からなので千歌は劣等感や無力感が強いんですよね。だからここ一番で自分を疑ってしまう。

 

そうした劣等感や無力感を抱きながら周りに支えられて成長していくリーダー、穂乃果とは違うリーダーがアニメ千歌です。

 

・少しずつ見えていく『普通』じゃないもの

ファーストライブを姉の「バカチカ」で立ち直って乗りきった千歌は、なんやかんやで1年生3人を入部させ、統廃合問題の勃発により「学校を廃校から救う」という憧れのμ'sと同じ状況になりました。

 

まだまだネガテイブ発言はするものの、

地味と思っていた自分たちも全然地味じゃない?何もないと思っていたものにも何かあるのでは?

そういったことを千歌は考えるようになります。

 

「何もない」のではなく、「何かある」のではないか。そう想いを込めた曲「夢で夜空を照らしたい」を作る頃には千歌は自分の中にも何かあるのではないかと思い始めていました。

千歌がずっと抱えていた「何もない『普通』」な自己像は変わりつつあったのですが…

 

・突きつけられた「ゼロ」、「悔しい」

夢で夜空を照らしたい」で知名度が上がったAqoursは東京のスクールアイドルイベントに招待されました。

千歌は地元のみんなの期待を背負って憧れのTOKYOに向かい、Aqoursは今までで一番ともいえるパフォーマンスをしました。

 

しかし、だからこそ知ってしまった他のグループとの実力差。そして追い討ちをかけたのが、

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Aqoursに投票した人は「ゼロ」であり、

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ラブライブ!を目指しているなら諦めた方がいいと可能性を「ゼロ」にされ、

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馬鹿にしないでと今までの努力も「ゼロ」にされた

 

全力でやった最高のパフォーマンスが「ゼロ」であった。

 

気落ちするメンバーを千歌はリーダーとして
「私たちは最高のライブをやった」「胸を張っていい」と励ましました。

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その言葉がごまかしであることは千歌自身もわかっていましたが、リーダーとしてマイナスな言葉を言うわけにはいかなかった。

 

でも、沼津に帰ってきて期待に応えられなかったことを言えず、泣きじゃくるルビィの姿を見て、どうしたらいいかを考えて、

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千歌の言いたかった言葉は「悔しい」でした

あれだけみんなで頑張ってきたのにゼロなんて悔しい。全力でやったことをここで終わりにしたくない。

 

何もないと諦めてきた千歌は上手くいかないことがあっても自分が『普通』だからと片付けてきた。たとえ悔しいことがあったとしても胸の奥にしまってきたのではないでしょうか。

 

やっと気がついた情熱

 

叶えたい夢に出会えて良かったねって呟いたよ

 

夢で夜空を照らしたいの歌詞ですが

「悔しい」の一言は千歌にとってスクールアイドルが大事なものになったことの証明でした。

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そして、ゼロのままで終わらないために千歌たちはAqoursの再スタートを決めました。

 

Aqoursのリーダーとして「ゼロからイチへ」

TOKYOでの挫折を乗り越えた千歌はその後、かつてスクールアイドルをしていた3年生組の関係修復に一役買ったり、梨子をリベンジの舞台に送り出したり、友情をヨーソローしたりしていきます。

しかし、依然としてもやもやしていたのが

「どうすればμ'sみたいになれるのか」でした。

そうして再びTOKYOへと向かうのですが、

 

6人だったAqoursは9人になり、

あの時のゼロはAqoursの新しいスタートになり、

梨子はピアノコンクールでのリベンジを果たしたことで音ノ木坂に向き合えるようになっていました。

 

そして、音ノ木坂でμ'sは自分たちを思い出させるものは何も残していかなかったことを知りました。

ものはなくても気持ちがつながっていればそれでいいと。

μ'sを終わりにしてもスクールアイドルは広がっていく、それが穂乃果たちの願ったスクールアイドルの未来です。

 

スクールアイドル自体の力を信じているから、憧れという形であってもμ'sを目指して後世のスクールアイドルに頑張ってほしくなかった。

μ'sが廃校を阻止してラブライブ!に優勝したという功績ではなく、全力で最後まで駆け抜けた想いを伝えたかった。

 

言葉でそう言われたわけではないですが、μ'sは何も残さなかったことを知り、千歌は自分なりの答えを出しました。

 

どこまでも自由に自分たちの夢とみんなの想いを胸にまっすぐに進む、だからμ'sは輝いていたのだ。だから自分たちも自由にまっすぐに進もう、と。

 

沼津に帰る途中で寄ったある浜辺で、千歌はμ'sの後を追うAqoursのリーダーではなく、「ゼロからイチ」になろうとするAqoursのリーダーになることを決めました。 

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それは千歌たちAqoursが自分たちで決めたことであり、μ'sが伝えたかった想いはAqoursに受け継がれました。

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©2013 プロジェクトラブライブ!

奇しくもそこはμ'sが自分たちでμ'sを終わりにすることを決めた場所であり、その話のサブタイトルも「私たちが決めたこと」でした。

 

私でいいんですよね

仲間だけを見て、目の前の景色を見て、まっすぐに走る

それがμ'sなんですよね

それが輝くことなんですよね

だから私は私の景色を見つけます

あなたの背中ではなく、自分だけの景色を探して走ります

みんなと一緒に、いつか、いつか!

 

これは穂乃果に向けた千歌のセリフですが、メタな話をすれば穂乃果役の新田恵海さんに向けた伊波杏樹さんの言葉でもあると思います。

 

まだまだネガテイブなところはある、でも、自分がリーダーでいいのだと思えた。たとえゼロでもイチになればいいと思えた。

1クールをかけてようやく千歌はAqoursのリーダーになれました。

 

○2期に期待すること

・ゼロからイチの発展

ゼロからイチへ、今やサンシャイン‼︎における決まり文句になっています。

これは千歌というよりもラブライブ!サンシャイン‼︎のストーリー全体に関わる話ですが、

2期以降はどのように「ゼロからイチ」を目指すのでしょうか。

 

1期での最終到達点は「μ'sの背中は追わずに自分たちの輝きを目指す」「起こること全てを受け入れ全力で楽しもう」でした。

イチヘの意志は持ったもののまだまだゼロです。イチヘの意志を持ったなら完全なゼロではないと見ることもできますが。

 

「ゼロからイチヘ」の表すものもどうとでもとれてしまいます。それがいいところでもありますが。2期開始からしばらくは学校説明会の参加者という具体的な「ゼロからイチヘ」でストーリーが展開するとしてそこから先はどんなゼロからイチを目指すのか。

 

イチになったかと思いきや新たなゼロの出現、ずっとゼロからイチを目指しつづけるが真にイチになったのは最後の最後、とかでしょうか。

 

・普通コンプレックスと曜

1期では千歌の普通コンプレックスはいくらか解消されましたが、まだまだ解決には至っていないです。

 

まずは千歌の普通コンプレックスがどこから来ているか?

1期で暗に示されていますが、いつも輝いて見てる誰かがそばにいたことが千歌の普通コンプレックスを加速させてきました。

 

そう、

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渡辺曜です。

 

たいていのことは上手くこなせて、人当たりも良く、周りから評価され、将来の夢もしっかりある。

Aqoursの結成では真っ先に千歌に協力し、衣装担当を引き受けたばかりかメンバーが揃うまではダンスの指導をしている描写もありました。

まさに「なんでもできる曜ちゃん」です。そんな曜が隣にいて自分にできないことをやってのける。千歌の普通コンプレックスは曜の存在による影響が大きいです。

 

ただ、この件は曜が悪いのかというとそうでもない。曜は自分にできることを全力でやったに過ぎないです。

曜は曜で自分がなんでもできる(と思われてしまう)ことに悩んでいて、周りに嫌な思いをさせているかもしれないことを気にしていました。

 

千歌の普通コンプレックスの原因を曜との関係に求めるなら、それは「なんでもできる曜ちゃん」「なんにもできない私」という思い込みです。

曜もまた千歌のことをすごいと思っているのに千歌はそれに気づかない。

1期11話「友情ヨーソロー」では曜が千歌に何かを伝えることなく話が終わりましたが、それだけに曜と千歌の関係は2期でちゃんとやってほしいです。

 

・普通の人が輝こうとするのがスクールアイドル

8話でダイヤが言っていたようにラブライブ!サンシャイン‼︎でのスクールアイドルはハイレベルなパフォーマンスをすることに意味を見出す実力主義の世界のものとなっています。

しかし、千歌は「普通のみんなが輝こうとする」ことにスクールアイドルの意味を見出しました。実力主義となってしまったスクールアイドル、しかし本来のスクールアイドルはどうであったのか。

μ'sもA-RISEもスクールアイドルが限られた特別な人のものだとは思っていなかったはずです。千歌の考えるスクールアイドル像が実力主義のスクールアイドル界を変えていく。そんな展開もありだと思います。

 

というところでアニメ2期前記事の第3回高海千歌編は終了です。

次回はダイヤさんです。7月はじめにはなんとかしたい!

 

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