【感想記事】ラブライブ!サンシャイン‼︎ 2期第13話「私たちの輝き」
ラブライブ!サンシャイン‼︎アニメ感想もラストです。
放送はもう10ヶ月前になりますね。大宮ソニックでの一挙見のラストにスクリーンの大画面で見た最終話の迫力は今でも覚えています。
まあ、もう2018年も終わりが近いわけで、リアルタイムで見て今までなにやってたんだという話ですが、お付き合いいただければ幸いです。
◯前半パート
最初回はじめのシーンは
千歌の家の近くの浜辺、梨子と出会った場所ですね。
それ以降も何度も出てきた場所です。
砂浜に立てられた旗には「LOVE LIVE! VICTORY」の文字が書いてあります。
無印から見ている人は見覚えのある旗ですね。
12話はWATER BLUE NEW WORLDの演奏終了とともに終わったのですが、どうやら良い結果が出たようです。
千歌は紙飛行機を飛ばしていますが、
何度飛ばしても紙飛行機はうまく飛びません。
その裏では千歌と千歌ママ(CV.釘宮理恵)、みとねー、しまねーの会話が。
・千歌が、紙飛行機を飛ばすシーン
・高海家の会話シーン
の二つが同時進行しているようですね。
そして、高海家の会話側がメインになります。
久しぶりに制服を着た千歌が太ったうんぬん。
制服に着替えた千歌が廊下に出ると
梨子がいました。千歌の部屋の前の廊下と梨子の部屋の窓は裏路地を挟んで面しています。ここも1期2話のちかりこシーンをはじめとして何回も登場しました。
さて…実は
梨子にはある異変が起こっていました…
新しい家族のプレリュードよ。よろしくね。
改めまして、ここでキャラ紹介。
1期からの過剰なまでの犬への恐怖、
それを乗り越えた2期5話
結果、ついには自分で犬を飼うまでになった梨子ちゃんであります。
名前も「プレリュード」といつぞやのノクターンに匹敵するハイセンスっぷりです。
さらに
しいたけも無事出産を…!
いつのまに妊娠していたのか?
相手は誰なのか?
そんな疑問もありますが、
何よりここまでの25話でしいたけがメスであることへの言及も無かった(一部インタビューを除く)わけですが、
家族が増えたよ。やったね!しいたけちゃん!
犬の妊娠期間は約63日、今は3月上旬なので妊娠は1月上旬くらいのはず。
つまり、
ここくらいの時期にご懐妊して、
閉校祭準備中の浦の星を身重なまま走り回ったというわけですね。
がんばったな、しいたけ。
学校では曜が待っていました。
おはヨーソローにヨーソローで返す。
1年を通じてこの辺りのやりとりが定番になったみたいです。
1年生ももう来ているようなのですが…
またもや事件が
式が始まるのに善子が木の上に登ったまま降りて来ない。
と思ったら足を滑らせてどこかで見たような構図で落ちてきます。
善子はそのまま校舎の中へ駆け込みました。
今回は着地後すぐに走れるという、あの時とは違います。
それを見つめる3年生。
今日は3年生の卒業式であり、浦の星女学院の閉校式でもある。
3年生には高校生活と浦の星の歴史の両方の終わりの日です。
善子の様子がおかしかった原因ですが、
気合いを入れて髪をセットした結果、なんともゆるふわっとした状態になってしまいました。
これはこれで可愛いよ!
なお、花丸の協力でもとの髪型に直す方向に決まりました。
その頃、千歌は部室にいました。
もう荷物が運び出された部室。
千歌が入学するよりも前、3年生がスクールアイドルをはじめてから色々な出来事がここでありました。
「スクールアイドル陪」を書き直した表札、書き直されることなくここまで来てしまいました。
部室に果南がやってきました。
3年生にとっては千歌たち2年生よりもずっと多くの思い出がある部室、
なにも無くなったという千歌に果南はホワイトボードを撫でながら、
「そんなことないよ。ずっと残っていく。これからも。」と返しました。
果南とホワイトボード。
作中ではそのつながりが何回か出てきました。
2年前のAqoursの想い出として挿入されたシーンはホワイトボードの前であり、
半ば強引に鞠莉に解散を提案した場所もホワイトボードの前であり、
鞠莉と2年もかけて和解した場所もホワイトボードの前でした。
2期5話では昔のフォーメーションノートを持ちながらホワイトボードを見つめていました。
果南にとって部室のホワイトボードは2年前の未熟な自分を思い起こさせる小道具であり、
2年前から鞠莉が戻ってくるまで、消えかけとはいえかつてのAqoursの面影を残してくれたものでもあるわけです。
ホワイトボードとそこに刻まれたAqoursの足跡は果南にとって「これからも残り続ける」ものなのです。
その頃、鞠莉とダイヤはというと、
理事長室にいました。
理事長として最後くらいはまじめにと鞠莉に注意するダイヤ
そんなダイヤが理事長室の窓から見たのは
がんばルビィ⌒°( ・ω・)°⌒
思いっきりペンキで落書きをする妹の姿
てへぺろ!
ルビィだけではなく校内のあちこちでペンキによる落書きが行われます。
曜は船ではなくセーラー服を描くというこだわりっぷり。
「究極奥義、堕天使としての魔力の全てで真の姿になりましたー」
花丸の協力で善子の髪型は無事元どおりになったようです。
よいむトリオをはじめとするモブ達も
みんな思い思いの落書きをしていきます。
いつもはお堅い生徒会長だったダイヤも
ルビィにさそわれ…
校舎への寄せ書きに参加します。
そして…校舎には
Aqoursのイメージカラー9色の虹ができました。
色々なことがあった学校、
廃校を阻止できなかったけれどそれでもAqoursと浦の星の生徒達が守ろうとした学校、
込み上げる想いに泣きそうになるルビィ
最後まで泣かないと諭す花丸
花丸の気持ちもルビィの気持ちも他の7人にはわかってしまう。
それでも明るく一番の笑顔でいることを決め、
浦の星女学院最後の卒業式と閉校式が始まりました。
卒業生代表の果南へ理事長の鞠莉から卒業証書が手渡されます。
それを見守る生徒会長のダイヤ
幼馴染3人組がそれぞれの立場で迎える卒業式
それを見送る1年生組と2年生組
よくよく考えると卒業式としての体裁が3年生3人で展開しているというのは特異な状況ですね。
生徒会長のダイヤが閉校の挨拶をします。
浦の星女学院は今日で長い歴史に幕を閉じる。
でも、この学校の景色は心の中にずっと残っていく。
それを胸に新たな道を歩めることを、浦の星女学院の生徒であったことを、誇りに思う。
みなさんもそれを忘れないでほしい。
誇りを重んじるダイヤらしい挨拶です。
誇り高く前を向いてダイヤは閉校宣言をします。
「ただいまをもって、浦の星女学院を閉校します。」
さて、そういえばここまでまったく触れられていないことがあります。
冒頭のシーンの旗を見た時点でもう気づいていた人もいるかと思いますが…
私たちはやったんだ!
優勝したんだ!
ラブライブ優勝です。
と、ここで親の声よりも聴いたであろう、イントロが…
見たことない夢の軌道〜
追いかけて〜
青ジャン!!
アニメ1期オープニングテーマ『青空 jumping heart』です。
見た回数は100回は超えたであろう映像の合間に映るのはラブライブ決勝大会の様子
優勝グループのアンコール曲としてもう1曲披露したのが「青空 jumping heart」ということなのでしょう。(←3rdライブ幕間アニメにて確定)
1期のオープニングが2期では優勝後に披露されたアンコール曲として劇中に登場する。
μ'sでも同じ演出がありました。
©2013 プロジェクトラブライブ!
キラセン終了後にステージ裏のμ'sに聞こえてきたアンコールの声、
©2013 プロジェクトラブライブ!
1期3話の「このまま誰も見向きもしてくれないかもしれない〜」のセリフがリフレインして涙ぐむ穂乃果、
そこからの
©2013 プロジェクトラブライブ!
僕今衣装の後ろ姿で始まったアンコール曲「僕らは今の中で」は何度みても震えます。
μ'sの時にやっていたことが続いていると嬉しくなった瞬間です。
屋上に集まったAqoursの9人、卒業式兼閉校式が終わってもまだ誰も帰ろうとしない浦の星の生徒達、このまま続くのかもしれないと錯覚してしまうくらいです。
でもちゃんと終わりにしなければならない。
一人一人屋上から校舎の中へ入っていき、
浦の星女学院の最後の一日は過ぎていきます。
教室の黒板には決勝大会での『WATER BLUE NEW WORLD』のラストシーンを描いた絵が。
出典:Aqours3rdライブグッズページ(http://www.lovelive-anime.jp/uranohoshi/sp_3rdlive2.php)
3rdライブのグッズとしてタオルにもなりましたね。
ちなみにこの絵は沼津のつじ写真館の方が実際に描いた絵を使っているそうです。
写真館といいながらコーヒーを売ったりもしてますので沼津に行ったら寄ってみましょう。
決勝大会のステージでの千歌たちは輝いて見えた。そして、千歌たちにはみんなが輝いて見えた。全部が輝いていた。
「輝きたい」その一言で始まった千歌のスクールアイドル活動のゴールには輝きがありました。
千歌たちが教室を出て、ドアを閉めます。
それはつまり、もうこの教室は使われることはないということ。最後の瞬間が一つずつ訪れていきます。
1年生は図書室の片付けをしていました。
図書室といえば1期4話「二人のキモチ」の花丸とルビィのエピソードです。
二人にとって転機となった場所が図書室でした。
そして、いつしか図書室はAqoursの活動場所の一つとなっていました。
本たちは別の場所に引き取られていき、そこでまた誰かに読まれる。
浦の星女学院から旅立ち、新しい場所で新しい出会いをします。
図書室の整理も終わって、図書室のドアを閉め時がきました。千歌の教室と同じくここでも最後の瞬間が訪れます。
一緒に閉めようと誘う花丸とそれを拒否する善子。
花丸は一緒に閉めようと誘い続けますが、善子は意地でも閉めようとしない。
閉めたらそこで終わってしまう。センチメンタルな雰囲気を善子は拒否します。
大事な場所だから一緒に終わりにしてほしい。花丸のキモチが爆発します。
一緒に閉めるずら!
珍しく声を荒げる花丸。
からかいあいながらも互いの本当に嫌がることはしてこなかった善子と花丸、
花丸の覚悟を感じ取った善子は一緒にドアを閉めます。
じゃあね。
今までマルたちを守ってくれてありがとう。
ばいばい。
かつて、二人の少女のキモチが交わった図書室もまた最後の役目を終えました。
梨子は音楽室でピアノを弾いていました。
弾いているのは「海に還るもの」
1期10話、スクールアイドルのためにピアノコンクールを諦めようとしていた梨子は、千歌の頼みでこの場所でこの曲を弾きました。
「海に還るもの」はアレンジされ、歌詞と振り付けがつけられて「想いよひとつになれ」となりました。
梨子のそばには曜がいました。
曜と梨子、同じ学年であり、千歌と3人でスクールアイドルとしての苦楽を共にしてきた戦友です。
私ね、ずーっと言っておきたいことがあったんだ。
………ん!?(^_^;)なんだこの展開は?
私ね、実は梨子ちゃんのことが
だーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーい
好き!
いきなりの告白(広い意味では間違ってない)です。
私も、と返す梨子
二人で音楽室を後にします。
まあ…何というか…
この二人は友達の友達ではなく、直接の友達なんだという「当たり前」の描写です。
実は言いたいことが…の展開にドキドキよりも不穏なものを感じてしまいましたが。そうではないということですね。
まあ、1期でちょっとごたごたしたこともあって二次創作界隈では妙な関係性を作られることも多いのですが、ようりこは仲良しなのです。
よくよく考えたら1期11話で梨子との電話のおかげで千歌の気持ちを知ったことになるし、
曜にとっては梨子は恩人という立ち位置になりますからね。
ようりこ正妻戦争なんて無かった!
はい、Aqours2年生は今日も平和です。
その頃3年生はというと…
浦の星女学院の理事長、鞠莉。
鞠莉は理事長室にいました。
理事長としての日々も今日で終わりです。理事長から見える景色ももう見ることはできない。
鞠莉のもとに来た果南とダイヤ、
二人は鞠莉にあるものを手渡します。
理事長として浦の星のために尽力した鞠莉へ、浦の星全校生徒からの卒業証書も兼ねた感謝状が贈られます。
もう一度スクールアイドルをするため、2年前に失った果南とダイヤとの日々を取り戻すため、浦の星の統廃合を阻止するため、鞠莉は小原家の力で理事長という立場を手に入れました。
手段として理事長という地位を利用したことも、その地位が正当な手段で得たものでないことも褒められたものではないでしょう。
しかし、はじまりはどうあれ、鞠莉は立派に理事長をやりとげました。
統廃合を阻止するために持てる力を尽くし、それでも理事長として統廃合を阻止できなかったことを悔やむ鞠莉は誰の目から見ても浦の星の誰よりも浦の星を愛していました。
理事長室のドアを閉めて、鞠莉は浦の星理事長としての最後の仕事を終わりにします。
それぞれの思い出を振り返りながら、
学内を巡って9人が最後に集まった場所はスクールアイドル部の部室でした。
ここがあったから
みんなで頑張ってこられた
ここがあったから前を向けた
毎日の練習も
楽しい衣装作りも
腰が痛くても
難しいダンスも
不安や緊張も全部受け止めてくれた
帰ってこられる場がここにあったから
一人ずつ想いを語り部室を出て行きます。
残ったのは千歌ひとり。
「スクールアイドル陪」の表札、漢字を間違えてそれでもスクールアイドルをやりたい一心で始まった4月、
結局間違えをバツで書き直したままここまできてしまった。(2回目)
スクールアイドル部の部室で千歌たちをを見守ってきた表札
感謝をして、千歌は表札を外します。
長かった浦の星女学院最後の一日ももう少し、9人は校舎を見上げます。
夕暮れの校門前には浦の星の生徒と、かつて浦の星の生徒だったであろう親御さんたちが集まっています。
Aqoursは閉校の最後の仕事を担います。
校門を閉めて、外界とのつながりを断つ。
そうすれば浦の星女学院はもう誰も来ることのない場所になります。
1年生と3年生が順々に校門を閉めていきます。
千歌も校門に駆け寄り、校門を動かす。一人で動かすには重い校門を歯を食いしばりながら。
そうしてあと数センチで完全に閉まるところまできて…
千歌は止まってしまう。
浦の星の思い出は笑顔の想い出にするんだ!泣くもんか!泣いてたまるか!
「泣かない」
浦の星の最後の一日が終わるまでは決してなかない、そう決めていた9人。
しかし、決意とは裏腹にどうしても涙が出てしまう。
あと数センチで本当に終わってしまう。
一緒に閉じよう、と曜と梨子は千歌に語りかけます。
それにうなづく千歌。
残り数センチはすぐに閉じられ、
浦の星女学院の最後の1日は幕を閉じました。
ここでアイキャッチ
○後半パート
そして、場面は最初の浜辺へ戻ります。
ラブライブ優勝旗のはためく浜辺で千歌は海を見つめます。
千歌のもとには新しい学校の制服が届きました。
優勝した。統廃合は止められなかったけれど、浦の星女学院の名前はラブライブの歴史に残り続ける。
たしかに輝くことができたのに今の千歌はまったく嬉しそうではない。
そう、「輝いていた」
9人と浦の星の生徒にとっての過去に輝きはたしかにある。
それでは今はどうなのか?これから先はどうなのか?
3年生はそれぞれの未来に向かって旅立っていった。1・2年生は新しい学校での生活がもうすぐ始まる。
Aqoursとしての1年がどんなに素晴らしかったとしてもそれはもう終わってしまった過去なのです。
千歌ママはある話をします。
おもむろに千歌ママが紙飛行機を飛ばし、千歌はそれに目を奪われます。
千歌ママの話は昔の千歌についてのものでした。
昔の千歌は上手くいかないことがあると本当は悔しいのにごまかして諦めたふりをしていた。
うまく飛ばない紙飛行機はまるで今の千歌です。
「これでいいんだよね」と千歌は呟きます。
自分たちの輝きを見つけた、ラブライブで優勝したAqoursの中に千歌の求めた輝きはあった。
しかし、それは本当のゴールではないことを千歌は薄々気づいているのでしょう。
だから「これでいい」と言い切ることはできなかった。求めたものを手に入れたはずなのに胸を張れない。
そんな千歌に千歌ママ、みとねー、しまねーはそれぞれの言葉を伝えます。
「本当にそう思っているのか?」
「相変わらずバカ千歌だね。」
「何度でも飛ばせばいい。」
3人は千歌のこれまでを知っています。
諦めることで自分を守り続けていた千歌が最後までやりきった。
何度もくじけながら大変な思いもしながら、ちゃんと千歌がやりとげたこと、それが千歌にもたらしたものを知っています。
今の千歌はうまく飛べなくてもAqoursという紙飛行機を飛ばし続けた千歌であり、今この瞬間だって千歌は飛ばない紙飛行機を飛ばし続けようとしている。
何もできない自分を否定できたのに「これでいい」とは思っていない。
千歌が求めた輝きは何なのか?
千歌はもう答えに足をかけているのです。
「本気でぶつかった気持ちの先に答えはあったはず」
「諦めなかった千歌にはきっと何かが待っている」
千歌ママの言葉に背中を押され。千歌はもう一度紙飛行機を飛ばします。
紙飛行機は落ちかけますが、千歌の叫びとともに強い風が吹き、風に乗って紙飛行機は飛んでいきます。
紙飛行機を追いかけて千歌は走り出しました。
紙飛行機の飛んで行った先にあったのは浦の星女学院。
なぜか校門は開いていました。
千歌は浦の星の中に入ります。
ほんの少し前まで通っていて、しかしもう誰もここにはこないはずの場所
こっそり忍び込んだ千歌は学校の中を巡っていきます。
すると…
「ごめんなさい」
千歌が何度も梨子を誘い、その度に断られた廊下(1期2話「転校生をつかまえろ」より)
「くんくん…制服ぅ〜!」
3年生の教室から落ちてきたスクールアイドルの衣装に反応した曜が危うく落ちかけたベランダ(1期9話「未熟DREAMER」より)
「放せ!放せって言ってるの!」
「いいと言うまで放さない!」
「二人ともおやめなさい!みんな見てますわよ!」
復学した果南と鞠莉の喧嘩が繰り広げられた3年生の教室(1期9話「未熟DREAMER」より)
「ルビィ、スクールアイドルがやりたい。花丸ちゃんと!」
「マルにできるかな…?」
やりたいことをやっと表に出せたルビィ
スクールアイドルをしたいと自覚した花丸
ふたりのキモチに決着がついてAqoursが5人になった図書室(1期4話「ふたりのキモチ」より)
「儀式とかするかもよ」
「リトルデーモンになれっていうかも」
堕天使ヨハネを隠してどう振る舞うか悩んでいた善子が隠れた屋上への階段(1期5話「ヨハネ堕天」より)
※ちなみにセリフはびゅうおでの加入前のやりとりなので
ここだけ実際にセリフのあったシーンが別です。
「ワン、ツー、スリー、フォー、ワン、ツー、スリー、フォー」
「今のところの移動はもう少し早く」
「はい!」
「善子ちゃんは…」
「ヨハネ!」
「さらに気持ち急いで」
「承知!空間移動、使います!」
真夏の暑さの中、毎日練習し続けた屋上(1期13話「サンシャイン!」より)
どこにいっても声がきこえます。
千歌が必死に何かを追いかけて走り続けたあの1年間の声が。
私は嘘つきだ。
泣かないって決めたよね。
その場に座り込む千歌。
どうしてあの1年のことを思い出してしまうのか?どうして声が聞こえてしまうのか?
見えるとこに旗を置いていてもちっとも嬉しくなかったのに、今千歌は何もないはずの学校に何かを見て泣いている。
千歌はAqoursの一年で千歌が望んでいたことをやりとげることができました。しかし、それはラブライブに優勝したとか学校の名前を歴史に残したなどという結果として見えるものではなかった。
日々の一コマ一コマがどうしようもなく再生されてしまうくらいに必死になっていた一年の中で、千歌はもっと大切なことをやりとげていたのです。
それが千歌の求めた「輝き」の正体でした。
そして、ひときわ大きな声が千歌に聞こえた時、
体育館に向かう人影に千歌は気づきます。
紙飛行機を置いて千歌は走り出します。
「何か」を追って走り出した千歌
ここで1期1話物語のはじまりのシーンの独白につながります。
「普通」の私の日常に、突然舞い降りた奇跡
何かに夢中になりたくて、
何かに全力になりたくて、
わき目もふらずに走りたくて、
でも、何をやっていいかわからなくて、
くすぶっていた私の全てを吹き飛ばし、
舞い降りた
それは…その輝きは…
千歌は体育館の扉を開けます。
そこにいたのは浦の星の生徒とAqoursのメンバー
千歌を待っていた8人は言います。
みんなで最後にここで一緒に歌おうと。
色々とツッコミたいことはありますが、ラストだし細かいことは後回しにしましょう。
ラブライブ!ってそういうものです。
メンバーのもとに駆け出す千歌、
輝きを求めた千歌の物語がここに集大成を迎えます。
曲は「WONDERFUL STORIES」
曲の中で千歌は探し続けた輝きが何だったのか気づきます。
わかった
私が探していた輝き
私たちの輝き
足掻いて足掻いて足掻きまくって
やっとわかった
最初からあったんだ
初めて見たあの時から
何もかも一歩一歩
私たちが過ごした時間の全てが
それが輝きだったんだ
探していた私たちの輝きだったんだ
千歌の探していた輝きははじめからあった。
「輝きたい」と願う気持ちが、輝こうと努力した時間が、何度も悔しい思いをしながらも走り続けた日々が輝きだった。
諦めることしかできなかった千歌がやりとげることができたのです。
その原動力となったやりとげたい想いははじめから千歌の中にありました。1話の最初のシーンの時点で千歌自身がもう言っていたのです。
ならば、千歌はこれからも輝くことができるのでしょう。千歌が探していたものはもうずっと前に手に入っていて、今も千歌の中にあって、それを千歌自身が一年もかけて証明したのですから。
という結末で太陽の光=サンシャインの輝きを求めてはじまった物語はここで一旦幕を下ろします。
○感想
アニメ版ラブライブ!サンシャイン‼︎全26話
ずいぶんとかかりましたが、書ききりました。
まあ、もうすぐ劇場版も公開されてしまうわけですが…とにかく一つの物語の結末まで書ききることができました。
ラブライブ!サンシャイン‼︎の話を結末から語ってしまえば青い鳥です。
探していたものは実は近くにあった。
それに気づくことが物語の答え。
この最終回では1期1話の最初にあった千歌の独白が挿入されました。
「普通」の私の日常に突然舞い降りた奇跡〜
というやつです。
1期1話でその独白の後に千歌が目にしたのはμ'sでした。
μ'sの放っていた輝きは千歌に追いかける目標を与え、「"この人たちみたいに"輝きたい」が千歌のスタートでした。
千歌はどうすれば、何があればμ'sみたいに輝けるのかと試行錯誤をします。
周りからの評価、自分たちらしくあること、統廃合阻止という実績、そういうものに輝きを求めます。
それは青い鳥のチルチルとミチルが思い出や裕福さのなかに幸せの青い鳥を探したことに似ています。
そして、最終話。
同じ独白の後に千歌を待っていたのは浦の星女学院の生徒たちとAqoursのメンバーでした。
浦の星の生徒とAqoursのメンバーは千歌が「普通」であることに悩みながらも輝こうとしてきた過程を知る人たちです。
千歌の輝きの答えは高みできらきら輝いて見える結果ではなく、頑張ってきた過程にあったのです。
「やりとげた」という結果を求めた千歌が本当に求めていたものは「やりとげた」と言えるまでの過程の中にこそあった、と書くとなんかパラドックスみたいですね。
「何か才能があるすごい人ではない千歌の輝きは過程にこそあった」というのは何も最終回だけの話ではないです。
例えば、梨子の加入。
梨子はピアノを弾くのが辛かった。それは結果が出なかったからです。
しかし、千歌を見て梨子はピアノを弾くことそのものの楽しさ、過程の楽しさを思いだします。
例えば曜の願い。
曜は「千歌と一緒に同じものを頑張りたい」と願いました。曜が千歌に求めたのは過程です。
他のメンバーだって、26話にわたってアニメを見てきた私たちだって、千歌の凄いところは「コンプレックスを抱えて(というかコンプレックスの強さゆえに)走っては止まりをしつつ、ポジティブだかネガテイブだかわからないけど、とにかく走り出す」ところだと知っていました。
千歌はできないからこそ追い求める。
だけどできない千歌は何度もくじける。
それでも周りに支えながら立ち上がるのが千歌の物語=ラブライブ!サンシャイン‼︎である。
そんなことはそれこそ1期から当たり前でした。
そう、まさに青い鳥のごとく、いつもそこにあった当たり前の千歌の姿こそが作品の答えだったわけです。
輝きとはなんなのか?と問うまでもなく、
私たちは千歌の探す輝きの答えを何度も目の当たりにしてきたのです。
諦めずに頑張り続ければ願いは叶う、といえるほど世界は都合良くはないにしろ、
諦めずに頑張り続けたらそこには「やりとげた」という結果が生まれる。そして、その結果に至るまでの過程は決してゼロにはならない。
それがアニメ版ラブライブ!サンシャインの結論なのだと私は思います。
なにもできない、なんのとりえもない千歌が主人公だからこそラブライブ!サンシャイン‼︎は成立したのではないでしょうか?
…と、こんなところで締めることにします。
WONDERFUL STORIESの曲についての記事とか書きたいなとは思いますが、現状他に色々とやることがあるのでそっち優先になってしまいそうです。
劇場版についてはまあ、余裕があったら何か書くかもしれないです。
この記事内の画像については、個別に表記していないものはすべて
©プロジェクトラブライブ!サンシャイン!!
©2016 プロジェクトラブライブ!サンシャイン!!
出典:dアニメストア
となっています。