【考察記事】ラブライブ!サンシャイン‼︎ 第3話「ファーストステップ」2/2

長くなったので2つにわけました。

ラブライブ!サンシャイン‼︎第3話「ファーストステップ」考察の後半戦です。

 

前半戦はこちら。

 【考察記事】ラブライブ!サンシャイン‼︎ 第3話「ファーストステップ」1/2 - 音ノ木坂&浦の星 非公式研究室

 

・μ'sとAqoursのファーストライブの対比

どちらも3話でファーストライブをしています。μ'sとAqoursを対比させる意図があるのでしょう。
①観客の人数
μ's
→観客ゼロ(メンバーやひふみを除く)のファーストライブで「完敗からのスタート」
Aqours
→体育館を満員にできたものの、真の意味で3人のステージを見に来たのはほんのわずか、人脈というもともとあった関係性や地域の温かさから来たのがほとんど「自分のたちの力ではない勝利からのスタート」
 
②問題の発生とその後の展開
μ's
→観客ゼロという、ライブ自体する意味のない事態。穂乃果は心が折れかける。
→しかし、後にメンバーとなる花陽の登場により演奏を決意、そのままファーストライブをやりきった。
Aqours
→事前の鞠莉との取り決めにより、Aqoursのライブが最後になることが決定。それでも観客はいたのでライブをやるが、停電によりライブの続行が困難になる。千歌たちは何とか続けようとするが千歌の心が折れてしまう。
→しかし、姉の協力を知り、姉とともに入ってきた観客によりAqoursの存続が決定し、(千歌には誰がやったかはわからないが)ダイヤたちによって停電による問題も解決、ファーストライブを再開するという形でやりきった。
 
③生徒会長による問いかけ
μ's
→絵里は誰にも注目されないことを続ける意味があるのかどうかを問い、穂乃果は自分たちがここにいる想いを届けるために続けると答えた。
Aqours
→ダイヤは成功したのはAqoursの力ではない、すでに築かれていたもの(スクールアイドルの力、地域のコミュニティ)の上に乗っただと主張する、千歌はそれをわかった上で輝きたいと答えた。
 

④それらを総合すると、
μ'sのファーストライブは後ろ盾のほぼない状況と穂乃果というリーダーのカリスマ性の描写に力を入れた展開です。
問題の解決もきっかけは花陽が作りましたが、ライブをやることを提案した穂乃果にスポットを当てて穂乃果がリーダーとして強くなるエピソードとしてファーストライブがありました。

 

Aqoursのファーストライブは周りに支えられての成功でした。
少ないながらも来ていた観客によりライブをする理由付けをされ、姉に励まされ、姉の人脈や地域のコミュニティで集められた観客でAqoursの存続が決定し、ダイヤたちの影ながらの協力によって機材が復旧。
千歌自身の力ではライブを続行できなったことからも千歌はリーダーとして未熟であること、そんな千歌を支える人たちの力の大きさを強調するエピソードとしてファーストライブがありました。
 

・支援者の存在
アニメμ'sのストーリーはμ's9人にスポットライトを当て、9人が成長していく様子を中心に描いていました。劇中での支援者は成長していく9人に魅せられてランキング投票という形で増えていきました。
そうして物語の進行にともなって増えた支援者が穂乃果たちに徐々に影響を与えていき、2期9話の全校雪かきや劇場版のアキバライブにつながるわけですが、
Aqoursはすでに支援者がいるのです。μ'sが2期9話までかけた地盤の形成はすでに行われているのです。
 

・現実世界のμ'sとAqours
後半戦でここまで書いた内容は現実世界のμ'sとAqoursの状況の違いとも言えます。


μ'sがμ'sとして活動してきた道は前例のない挑戦の連続でした。434枚という文字どおりの完敗からのスタートだったぼららら。ファンは0人の状態から始まり、9人の活動とともに増えていった。
注目されないかもしれないことを続けるかどうかがメンバーやスタッフの間で問題になったこともあるかもしれません。
 
Aqoursは開始時点から製作側もファン側もある程度の見通しはできた状態であり、君ここは6万枚というぼらららとは比べものにならないほどの売り上げになりました。
それはAqours自身の力もあったにせよ、ラブライブ!というブランドの力、μ'sの6年によって築かれた地盤の力による成功です。


しかし、Aqoursは楽なのかというとそうではありません。
受け継いだ地盤が大きければ大きいほどプレッシャーも大きくなります。鞠莉がファーストライブで体育館を満員にすることを要求したかのごとく、私たちはAqoursにμ'sの6年間に相当するものを求めているのです。


そして、何をやるにしてもμ'sという前例との比較がAqoursにはついて回ります。ダイヤのごとく、ことあるごとにμ'sを引き合いに出すファンもいることでしょう。お前が言うな、という話かもしれませんが。


第3話の観客はみとねーや地域との付き合いで応援に来た人です。その中にはAqoursのメンバーが誰が、どんなグループなのかを知らない人もいることでしょう。
現実のAqoursについても、Aqoursについてよく知らないまま、μ'sの延長として応援している人がいるのも事実です。
 
・開始時間を間違えた?
みとねーの「あんた開始時間間違えたでしょ?」についてですね。
感想記事の方をご覧になった方はわかっていただけると思いますが、私はこの発言をもとに時間の議論をしたくはないです。


やり直せるんだということを伝えるために、開始時間を間違えたことにして再開をほのめかしたのが「あんた開始時間間違えたでしょ?」だと考えてますので。
どっちがどういう事情でずれたかはあまり問題にしたくない。
とはいえ、開始〜観客の到着のタイムラグがあったのは事実ですので触れておきます。

 

まず、この話をするにあたって重要なのは、千歌側とみとねー側どっちが間違えたの話を始めても描写不足で決着がつかないことです。
時計などの時間が明確にわかるものがない上にライブ当日に時間に関する発言をしたのはみとねーだけ、しかも例のセリフだけなので。
 
ここは時間がどうのではなくて、ストーリーの展開とか伝えたいメッセージからして客が二段階になることが重要で、「どうやってライブ途中に客を増やすか」の結果ああなったのだと思います。

 

ただ、あえて、どっちを支持するかといえば
みとねー側が遅れたというのが自然な気がします。
遅れたといっても開始のあいさつ〜1曲目のサビ前まで〜千歌たちのアカペラの数分なので誤差の範囲だと思いますが、
天候が悪くて、交通の便も悪い土地なら数分遅れるくらいはありそうです。
あと、千歌たちが間違えた説だとこの後に書く「バカチカ」に時間を間違えてバカという解釈が入るのでそれをしたくないというのもあります。
 
・「バカチカ」
みとねーのセリフは時間間違いにばかり目がいきがちですが、重要なのはその前。「バカチカ」だと思います。
あそこで言うセリフは「バカチカ」というワードが入っていて「やり直そう」という意図が伝われば何でもよかったとさえ思います。
 
「バカチカ」はこの回のキーワードです。

まずは千歌がみとねーに協力を頼んだシーン
わざわざプリンまで持って頼みに行ったのに鼻で笑われ、「バカチカ」なんていう落書きまでされた。
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あの時点の千歌にとっての「バカチカ」はライブのために努力して、真剣に頼みにいった自分を馬鹿にする言葉だったはずです。
 

しかし、終盤、「バカチカ」は様々な意味を持った言葉になりました。

ライブで千歌がくじけてしまった時
助けたのはみとねーでした。
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協力してくれないと思っていた姉が協力してくれていた。それも一番の協力者であった。
  
その第一声が「バカチカ」
言葉こそあの落書きと同じでしたが、千歌にとってこれほど嬉しい言葉は無かったと思います。
観客を連れて来てくれたのはもちろん、「バカチカ」とからかうその態度は紛れもなく、いつもの姉の姿。
「私ははいつも通り、当たり前のこととして千歌を助ける。だから千歌もいつもどおりやればいい。」

そんなメッセージすらあるように思います。
 
この瞬間、「バカチカ」は姉が当たり前に大切に思う妹へ向けた励ましの言葉になりました。
 
それに対して千歌が呟いた
「本当だ私バカチカだ。」
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自分はみとねーにとって大切な妹=「バカチカ」であること、「バカチカ」に込められた姉の愛に気づいたセリフであり、


こんな時になって初めて姉の気持ちを知った「バカチカ」な自分を恥じるセリフでもあり、


辛さに負けてライブを見に来てくれた観客から目をそらし、涙まで見せてしまった「バカチカ」への戒めのセリフでもある、

 色々な意味のこもった「本当だ私バカチカだ。」でした。

 

今後、「バカチカ」がまた出るかはわからないですが、みとねーから千歌への愛のこもった言葉として注目していきたいと思います。

 

第3回考察記事ようやく書き終わりました。

長々と、とくに前半戦からの方は、お付き合いいただきありがとうございます。

 

気づけばまた金曜日投稿でした。

4話ではまた色々書くことになりそうです。

 

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