【アニメ前考察】黒澤ダイヤ 〜「守る姉」として、「黒澤の娘」として〜

ラブライブ!は媒体ごとに設定に違いがあるのですが、まだ情報が少ないため、各媒体の情報を合わせて書いています

※この記事はアニメ開始前に予想を出しておく意図のものです。したがってアニメになったら外れている部分があることかと思います

4人目ですね。誰にしようかと悩みましたが、セットで論じたい2人組が残ってましたので、次回と合わせてその2人組について書いていきます。

その2人組とは…(タイトルでわかるとか言わないで下さい)









黒澤姉妹こと黒澤ダイヤ、黒澤ルビィです。
というわけでまずは黒澤姉妹の姉の方、黒澤ダイヤです。
まずは紹介から
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浦の星女学院3年生、地元の名家である黒澤家の娘で妹のルビィもAqoursのメンバー。生徒会長を務めており、完璧主義者で曲がったことが大嫌い。見た目や言葉遣いからツッコミ担当かと思いきや、ツッコミという名のボケ担当であったことが発覚。

姉妹が同グループというのはなかなか面白い試みです。μ'sの方にも妹や弟のいるメンバーはいましたが、いずれもμ'sを応援する周りの人間という立ち位置でμ'sとは明らかに区別されて描かれていました。せっかくなので姉妹エピソードをどんどん出してほしいですね。

ここでダイヤについてのテーマを挙げるなら「与えられた役割への固執」です。
まずはルビィのお姉ちゃんという役割です。
ダイヤのルビィへの関わり方は過保護・過干渉ともいえるほどでルビィの行動を監視し、制限し、ともすれば、周囲から見れば異常とまでいえるほどです。

ダイヤはことあるごとにルビィを気遣い、「お姉ちゃん」としてルビィのために何かをしようとしています。しかし、それは本当にルビィのための行動でしょうか?
ルビィは姉に頼りつつも姉から一人立ちしようとしています。
姉への尊敬は大きく、立派な姉を持ったコンプレックスに卑屈になることもありますが、
自分が姉に対して抱いている感情を自覚できているし、克服しようともしている。ただ守られるだけの存在から抜け出そうとしています(このあたりは次回で)。
一方でダイヤは自分が妹を守るという図式に固執しています。ルビィを好きなのは本当なのですが、まるでルビィを小さな子供として扱っているかのような描写もあります。

世話はするし、おおよそ理解はしているけれど、妹が自分から離れようとしている点についてはちゃんと妹を見れていない。妹が自分の手を離れようとしていることに心のどこかでは気づいているのかもしれませんが誰かに言われるまで自覚ができていない。
「妹を守るお姉ちゃん」という役割でアイデンティティを形成したためにそこから離れられなくなっているのではないでしょうか。
妹離れできていない姉、これがダイヤの抱える課題の一つだと思います。
「ルビィを守らないと」という使命感から開放され、ルビィの強さに気づくそれが黒澤姉妹が前に進む条件ではないでしょうか。

ダイヤが果たそうとしている役割は「妹を守る姉」だけではありません。
彼女は浦の星女学院の生徒会長であり、地元の名家・黒澤家の長女でもあるのです。
そして、ダイヤの言葉の端々からは自分の与えられた役割への矜持と役割にふさわしい自分であろうとする意気込みがにじみ出ています。
ダイヤにとっては「与えられた役割らしく」が「自分らしく」なのです。
しかし、それは裏を返せば役割とは関係ないただの黒澤ダイヤには「自分らしさ」がないということになるのではないでしょうか?
自分の役割を果たそうとする。その辺りはダイヤの責任感の強さゆえでしょうし、悪いことだとは思いません。
ただ、μ'sの物語で「やらないといけない」に縛られて身動きがとれなくなってしまった生徒会長・絢瀬絵里がいたように、「〜らしく」に縛られて自分を見失ってしまう危険がダイヤにはあると思います。

アニメではAqours加入までの展開でルビィとの関係がどう動いていくかに注目したいです。
要望を挙げるなら、ルビィを守るためにAqoursに入ってほしくはない。むしろ、その逆、ルビィを守ることに、与えられた役割にこだわっていた自分を変えるためにAqoursに入ってほしいです。
「役割にこだわる自分」に気づいた後もでやっぱり「お姉ちゃん」としてルビィに口うるさくなってしまうかもしれませんが、それは微笑ましく見守っていきたいです。

これでやっと4人目、次回は黒澤姉妹の妹側、黒澤ルビィについての予定です。